キャンピングカーで生活し始めたのは、三十代半ばであった2005年。キャンピングカーが自宅兼仕事場であり日常の延長線上というクルマ移動生活に突入した。 よく「出逢いが旅の醍醐味!」などと聞くが、私自身はさほど他人に関心がなく、むしろ避けて通るような性格なので、進んでコミュニケーションを取ろうとはしなかった。しかしネット環境の発達した現代、その気になればいつでも人と繋がることはできる。元からマメな方ではないから、実際には電話もメールも必要なときにしかしなかったが……。移動生活が長くなり、年に1回も会う機会がなくとも、親しい人とは実際に顔を見れば一瞬にして時間を超えてしまうものだ。 自分から進んで声をかけることはなくてもかけられることはあり、そこから会話を楽しむくらいのことはする。この十年強、出会った人々の中では長期の車中泊旅を楽しんでいるのは老夫婦が目立つ。かたや徒歩旅や自転車旅、バイク旅など