2020年7月3日 日本銀行金融機構局 全文 [PDF 864KB] 要旨 新興国を含む国内外の債券や株式等の幅広い資産を投資対象とする「マルチアセット型」の投資信託(以下、マルチアセット型投信)のなかには、価格変動リスクの抑制を目的として、投資ポートフォリオに組み入れる資産の配分比率を市場の変化に応じて随時変更するタイプも多い。本稿では、こうしたマルチアセット型投信の特徴を踏まえ分析を行い、(1)市場の不確実性が高い局面では、投信のリスク抑制とリターン追求双方の面で比較的良好なパフォーマンスを発揮してきた(ただし、リーマンショック時は例外)、(2)一方、市場が落ち着いている局面では、ポートフォリオのボラティリティを高める方向で資産の入れ替えを行っていたものの、結果としてのリターン面のパフォーマンスは低めにとどまっていた、との示唆を得た。 今回の分析結果が金融機関のマルチアセット型投信のリ