7月28日、政権交代後初の死刑執行が行なわれた。千葉景子法相は同日の死刑執行に立ち会ったうえで記者会見し、「死刑について根本的な議論が必要」と指摘している。Fonteでは死刑について2010年5月1日、永山則夫事件を担当した大谷恭子弁護士にインタビューをしている。永山則夫事件で実際に見てきた「死刑」とは、どんなものだったか。 ――そもそも永山則夫裁判に関わるきっかけは? 私が関わったのは1審の死刑判決が出てからです。率直に言えば、やる気はなかったんですが、かなり荒れた法廷で弁護人をやる人がいない、と言われました。私は、どんな事件でも、どんな人でも弁護は必要だと思っています。弁護士が、事件によって「やりたくない」などと言うのはいかがなものか、と。ただ弁護士とその人との相性というのはあります。その人と弁護人がおたがいに信頼関係が築けないと、どんな結果になろうとも、おたがい不幸になるんです。だか