約55時間ぶりに全線開通となった27日の京浜急行。車内は上下線とも先頭車両だけががらがらにすいており、通勤や通学客らは脱線現場が近づくと一斉に窓の外に顔を向け、不安そうに身を乗り出してのぞき込んでいた。 「怖くて乗りたくないけど、通学のため仕方ない」と話したのは、横須賀中央駅に向かっていた女子高生(18)。先頭車両には「絶対乗らない」ときっぱり。 鉄道ファンの会社員、栗原大輔さん(30)は現場を見ようと先頭車両に乗り込んだ。「現場がどうなっているのか見たかった。京急には安全確保をしっかりしてほしい」と事故現場をじっと眺めていた。 現場に近い京急田浦駅は早朝から大勢の利用客であふれていた。車両が脱線したトンネル近くにはプレハブ小屋が設けられ、監視員が現場に近づく電車の走行をチェックしていた。