『働かないふたり』というマンガがどうやら人気だと聞いて「嘘つけ! どうせ自称学生ニートとか主婦ニートとか、次の職場までの仮初ニートとかいう生ぬるいカジュアルニート共だろうが!」と敵意むき出しだったのだが、本を開いてみると本当にニートだった。それも、失職して求職活動中の「努力派無職」などではなく、「働きたくない」が根底にある純正のニートなのである。 このご時世、自称ニートの凶悪犯が溢れる腐った世界から、無垢なニートを探し当てることこそむしろ難しいのだ。今まで散々、ビジネスニートに騙されてきたこちらの繊細なハートにとっては、今回の事は実にすがすがしい案件であるゆえに感涙をもって平伏のお出迎えをせねばならぬのだ。 そもそも「ニート」と「無職」は定義が違う。学生ニートというのは、教育を受けている以上、矛盾した言葉なのだが、あれこれ鼻息荒く彼らを糾弾したところで、いざリアルなニートや無職を目撃したら