神奈川県内を走る相模鉄道(相鉄=そうてつ)の駅や車両をロケに使う映画やドラマが急増している。制作費切り詰めなどを目的とした制作会社からの“無理難題”にも柔軟に対応する姿勢が、業界内で好評を博しているからだという。駅数わずか25の鉄道会社が、今や映像業界関係者から「ロケなら相鉄」と言われるようになった背景は?【飯田憲】 「はい、カット!」。相鉄いずみ野線のいずみ野駅(横浜市泉区)構内の階段で昨年9月、若手女優の有村架純(かすみ)さんが転倒するシーンが撮影された。今年3月に公開予定の映画「ストロボ・エッジ」の一幕だ。同駅ホームに撮影用の大型クレーンを持ち込み、十数人のスタッフが立ち会った。輸送人員が1日平均約62万人(同社広報調べ)と、他の大手私鉄線に比べて少ない同線だからこそ実現するロケだ。このほか他社ではまず許されない帰宅ラッシュに重なる夕方や、ホーム白線の線路側に入っての撮影も許された