0. はじめに 化学の授業で、「ダイヤモンドは、炭素原子だけからできていて、燃やすと全部二酸化炭素になる」という話をすることがある。これを、講議だけではなく実際にやって見せられないか、それもできるだけ簡易に。これが本稿の主なテーマである。 まず、直径1,2ミリ程度の原石を入手した。ガストーチで、強熱後すぐに酸素ガスを吹きかけることを、何回か試みた。しかし、何の変化もおこらない。これらの経験をふまえて、今回は、ダイヤモンドを燃焼させようとした動機、パソコン通信やインターネットの理科教育MLを通しての情報交換、ダイヤモンド燃焼実験、さらに簡易化への試みについて、報告したい。 1. 研究の動機 盛口襄さんが提案した中学校・高校の理科室で行えるレベルの「気相法」1)で、中学校3年生有志とダイヤモンドの合成にとりくんでから、ダイヤモンドに対する興味が強くなった。私も編集・執筆に参加している教科書2)