金曜ロードショーで久しぶりに「ゲド戦記」をみました。多分10何年ぶりくらいに再見するんですが、いま見ると逆に目を離せない緊張感があることに驚きました。 もちろん、公開当時から言われた微妙さに対する皮肉ではないですよ。ひとえに「他人から依頼されて作る、ものすごく個人的作品」というほとんど例外的にいびつな構造をもっているからです。 すでに2000年代の頭から「宮崎駿の跡を誰が継ぐのか」という疑問は少なくなくあったと思います。いまでこそジブリの米林宏昌、細田守、片淵須直、そして新海誠、(ぼくだけ言ってますがスタジオコロリドの石田と新井)らがそれぞれ比較されたりしています。しかし2006年当時、おそらくたったひとりで真っ向からこの疑問を引き受けたのが宮崎吾郎監督だったと思います。 しかもジブリの新間寿、宮戸優光いや榊原信行たるプロデューサーの鈴木敏夫氏は最初からその構図を持ち込もうとした。いわば、