「6種類のクォークなんてとても信じられない」。世界が認めた「小林・益川理論」が最初に披露された36年前の京都大研究室のセミナー。約20人の学生は、それまでの常識を覆す斬新なアイデアに首をかしげた。当時、大学院生だった京都大基礎物理学研究所の九後太一教授(59)は、「今思えば、まさに歴史が変わった瞬間だった」と振り返った。 昭和47年9月、通称「湯川研」と呼ばれる京都大ソリューション研究室で、夏休み明けの研究員らに学術誌に掲載前のガリ版刷りのプリントが配られた。 週1回定例で開かれていた研究室のセミナー。その日の発表者は当時の助手、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授だった。 「クォークが6種類?」 プリントを見た20人の研究員は目を疑った。当時、クォークは3種類以上はないというのが通説だったからだ。
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