『天体の回転について』(小林泰三/ハヤカワ文庫JA) この表紙はある意味において内容を正確に反映しているのだが、あまりに正確に反映しているので、比喩の対象になっている方々には不愉快な思いをするのは間違いなく、アマゾンのレビューでやたら低い点がついているのは明らかにその所為なんだけど、作者がそれを見てニヤニヤしているのが目に浮かぶようである。 こんな萌え表紙に対して中身はどうなっているのかと言うと、相変わらずのハード、エログロ、ホラーなSFが揃っておりまして、さらに作者一流の悪趣味なボンクラセンスを大盤振る舞いであり、ファンには大変優しい内容になっておりますのでご安心ください。大変に厭な気持ちになれますよ。 短編集なのでたまには各話感想。 「天体の回転について」 表題作。科学文明が崩壊した後、原始的な生活を営む人類の一人である主人公が、軌道エレベーターで宇宙に旅立つ話。高度に発達した科学は魔
![『天体の回転について』 - 積読を重ねる日々](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9d29fd9c85f773741c342d4026ff60a16d688219/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fkiicho.txt-nifty.com%2Ftundoku%2Fimages%2F2011%2F02%2F16%2F51hrr4uxrwl__ss500_.jpg)