ひんやりとした部屋の中で、婁(ロー)は硬直していた。 身体(からだ)を強()ばらせるなど、何年ぶりのことであったろう。背中の七殺天凌(チーシャーティェンリー)も、その思念を停止させていた。 (これは……!) 絶句。 目の前のそれをどう解釈したものか、稀代(きたい)の暗殺者・婁震戒(ローチェンシー)と七殺天凌の双方をして判断しかねたのである。 すなわち。 禍(カ)グラバ・雷鳳(ライホウ)・グラムシュタールという、物体を。 FM: (曲をかけつつ)――というわけで、第一夜の終了したシーン。禍グラバと婁の出会いから再開しましょうか。 成田良悟: おお、ついにゲームに参加……! エィハ: 一応前回から参加はしてたんですけどね。 成田良悟: 一言だけね! FM: では、静謐(せいひつ)なる禍グラバ要塞中心部。婁の侵入を感知したことで、禍グラバの浮かんでいたポッドの液体が徐々に抜けていきます。それにつ
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