自分たちの醜い部分を見つめる勇気 当時、ぎんさん一家のような人たちに厳しく当たらない人たちもたくさんいた。明らかに、このコミニティの人たちに問題があるのだが、明治生まれのぎんさんはそう思わない。 「そりゃあ、おっかさんも悔しい思いでいっぱいだった。地団駄踏みたい気持ちだったが、“悪いのはあの人たちでにゃあ。戦争だがね”といって黙って耐えてござったよ」(NEWSポストセブン 2012年1月2日) そう考えなければ、やっていられなかったぎんさんの気持ちはよく分かる。が、残念ながらこの「責任転嫁しやすいものへもっていく」というカルチャーが、問題の本質から目を背けさせている側面もある。 例えば、高級官僚の不正を「安倍一強が悪い」で片付けてしまうと、官僚組織の構造的な問題はなんにも手がつけられない。しばらくすると忘れられて、同じような不正が繰り返されて、時の政権が叩かれることが戦後70年繰り返されて