中学生の頃、俺は田舎者の世間知らずで、毎日友だちと馬鹿やって荒れた生活を送っていた。 特に仲良かったのがAとBだ。 俺とAは家族からまるっきり見放されていたのだが、Bだけは母親から可愛がられていて、いつも構ってもらっていた。 あくまでも厳しい態度ではあるが、何だかんだ言ってBのために色々と尽くしてくれていたようだ。 そんなBと母親が、ある日かなりキツい喧嘩をした。 詳しい内容は語らなかったものの、Bは母親を精神的に痛め付けたらしい。中学三年の時だ。 Bと母親が喧嘩をしている最中に、父親が帰ってきたそうだ。一目で状況を察した父親は、Bを無視して母親の元へ近づいた。 衣服や髪が乱れている上に、死んだ魚のような目で床に目を落としている母親を見て、父親が口を開いた。 「お前は、ここまで人を踏みにじれるような人間になっちまったんだな。母さんがどれだけお前を想ってるか、なんで分からないんだ」 Bの方を