2期連続で巨額の最終赤字を見込むシャープに経営危機が迫る。頼みの綱である銀行融資の条件「ホンハイとの出資交渉の合意」も9月にずれ込んだ。奥田隆司社長は今年度下期黒字化の達成が経営破綻回避の条件と明言する。 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との出資交渉が8月末までにまとまらなかった。 8月30日午前中、ホンハイの戴正呉副会長と3時間ほど協議した。午後も引き続き議論する予定だったが、先方の都合が悪くなり、合意できなかった。私と郭台銘(テリー・ゴー)董事長とで話し合いを持つなどして、9月中の早い段階で決着をつける。 ホンハイとの出資交渉は難航しているように見える。 立場の違いで出資交渉が長引く 出資の件がなかなかまとまらないのは、両社の立場の違いがあるからだ。我々は出資案件を早く片づけたいが、ホンハイ側は違う。 先方にとって出資は、当社との戦略提携に関する1つの議題にすぎない。ホンハイ側の意向は、