ヒャッハー!残業手当だー! 11月分の給与明細をしげしげと眺める。残業時間3.32。残業手当3,981。これこれ、これだよ、これがあるから給料日はやめられねえんだ。先月の私が一体何のために3時間も・ 残業したのかまるで思い出せないが、残業の理由なんて、思い出せぬくらいがちょうどいいのだ。今の私は残業の理由を思い出せない。でも残業代は入っている。それでいいんだよ。宙に浮いた3時間が、浮かんだ先で翼を得て、お金として私の元へ舞い戻ってきた。所詮私はシフトで定められた時間に出勤し、シフトで定められた時間休憩をとり、シフトで定められた時間に退勤することしかできない時給労働者、毎月の給料にさしたる変化もなければ、ボーナスも出ないし、これといった福利厚生もない。そんな中で、思い出せない理由による残業とそれによる残業代は、翌月の自分へのささやかなご褒美みたいなモンだ。こちとら、そういうイレギュラーを当て