元日初売りに踏み切る井筒屋の本店。垂れ幕で大きく告知している=北九州市小倉北区来年6月末に閉店する大和新潟店。大和は、富山店など3店に経営資源を集中させる=新潟市 地方百貨店が再生の道を探っている。新年の元日営業に踏み切る店や、カラオケ店を入居させる店も現れた。高齢化や人口減に加え、公共工事の削減による雇用悪化などで地域経済が落ち込むなか、知恵を絞る。だが、そこまで行き着けない店も多い。 ◇ 「新春初売りは新年1月1日元日午前10時」 赤字決算に苦しむ北九州市の老舗(しにせ)百貨店、井筒屋の本店正面玄関には、長さ二十数メートルの赤い垂れ幕がかかる。 有力テナントだった高級ブランドのシャネル直営店は夏に撤退した。正社員のボーナスは夏、冬ともにゼロ。これまでは2日が初売りだったが、元日営業は少しでも売り上げを伸ばしたいという思いの表れだ。 百貨店の常識からは「奇策」とも呼べ