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ブックマーク / ezo-999.hatenadiary.org (9)

  • 『希望の国』(ネタバレあり) - ぷりぷり

    希望の国 [DVD] 出版社/メーカー: 松竹発売日: 2013/03/07メディア: DVD クリック: 3回この商品を含むブログ (18件) を見る 上の予告編でひたすらに悪い意味での嫌悪感を抱いた僕のような人にはあまりオススメできない作品。 『冷たい熱帯魚』は例外として、特に『恋の罪』以降の園子温作品には激しさに意味や中身というものが特にないように思えてきて、薄っぺらいという印象の方が優っている。 普通をはみ出す事が自己目的化した「力み」が結果として作品の切れ味を削いでしまっているし、その力みの反射としての「普通」に対するしたり顔の皮肉や悪意は単純な不快感としてしか伝わってこない。 作品に殺意を込めようとする姿勢は全く正しいと思うのだが、その一方でそこに作り手が酔っ払って冷静さを欠いている節があり、シラフで観る身としては申し訳ないが『おー怖』というしらけた反応しかできない。 『希望の

    『希望の国』(ネタバレあり) - ぷりぷり
  • 『ジャンゴ 繋がれざる者』 - ぷりぷり

    さすがはタランティーノ!凄く面白かった! 奴隷制時代における黒人達の怒りを、虐げられる我々の日々の屈を重ねてフィクションの中で解き放ちたい!という期待を裏切らずにきっちり満たしてくれる映画である。 その一方で、単にフィクションの中で『ムカつく奴をブッ殺してイエーイ!』なだけでは完結しない、現代の我々に投げ返してくるモノがある映画だとも思った。 作が持つ普遍性の部分だと思う。 印象的なのは、前作『イングロリアスバスターズ』で僕を映画ファンにさせたクリストフ・ヴァルツ演じるキング・シュルツ医師。 奴隷制を憎み、ジャンゴを助ける彼は『理想的な文明人』の象徴的な存在に見えた。 ヴァルツの演技により彼は作中最も親しみやすいし(馬と一緒にお辞儀する所が当にかわいい)、冷酷にビジネスに徹する一方で彼の思う倫理や正義に反するものは反射的にNOを言って損をしてしまう。 黒人を奴隷として扱うクソどもをぶ

    『ジャンゴ 繋がれざる者』 - ぷりぷり
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    ezo_999 2013/03/07
  • 『パーマネント野ばら』(ネタバレ注意) - ぷりぷり

    パーマネント野ばら [DVD] 出版社/メーカー: デイライト発売日: 2011/01/07メディア: DVD購入: 2人 クリック: 87回この商品を含むブログ (108件) を見る パッケージや予告から受ける印象と違って結構ネタバレしてはいけない系統の作品なのでネタバレ注意です。一応、納得はするんだけど、ビックリしたよ! 吉田大八監督の『桐島、部活辞めるってよ』が作品の完成度程にはピンと来なかったので、その理由を探るのも兼ねて鑑賞。 観るべき所は多い映画だと思う。 クライマックスの電話ボックスのシーンなんかは作品全体を貫く世界観やメッセージが言葉でなく伝わるようになっていたし、終盤である真相に主人公なおこが気付くシーンに『電柱を切り倒すおじさん』の姿を重ねるのは鮮烈で良いなと分かった。 メイン所の菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴の3人も良かった。菅野美穂は僕が好きである事を抜きにしても中々

    『パーマネント野ばら』(ネタバレ注意) - ぷりぷり
  • 2012年の映画 その他 - ぷりぷり

    見終わってしばらくしたら印象が変わるという事も多いので。 コメント書いてない映画もありますが大体面白かった順に並んでいます。 ・『贖罪』 次点。劇場公開もされたしTSUTAYAでは映画として扱われているし、何より撮ってるのは黒沢清だし映画とカウントしても問題ないでしょう。ゾクゾクする面白さ。未見の方は是非観ていただきたい。 ・『アベンジャーズ』 次点その2。『日よ、これが映画だ』と言われた時は少しムッとしたものだが少し予習して編を観たら『そうか、これが映画だったんだ!!』と納得した。非常に楽しい映画。 ・『ブロンソン』 次点その3。トム・ハーディ最高。 ・『アウトレイジビヨンド』 次点その4。バイオレンスは前作に比べると抑え目ながらストーリーテラーとしての北野武の実力を堪能させていただいた。前作も好きだけど、こっちの方がエンディングがカッコ良い分もっと好き。 ・『ダーク・シャドウ』 確

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    ezo_999 2012/12/31
  • 2012年の映画ワースト10 - ぷりぷり

    ※汚い言葉が並びます 今年は特に酷い映画にあたっていないため、単純な出来より「こんなに期待してたのに…」というやや一方的な思いが大きい。よって、ワーストに好きな人も多い映画がどうしてもい込んできてしまうのが心苦しいあたり。 1位『ヘルタースケルター』 勢いあまって『へたくそ』の四文字で感想を済ませてしまった映画。 原作漫画が苦手でその違和感の出所を探る意味でもいいかもな、と思っていたが全くそれ以前の問題だった。 あまりの退屈さに悟りの境地に達し「目を閉じる」という鑑賞法を編み出す事ができたのがせめてもの収穫だろうか。(結局目は開けてたけどね) 自分が言うのもなんだが、この映画の監督さんってあまり映画を観ない人なんだろうか? 演技は野放し、編集はガサツ、音楽の使い方は単調。 絵のセンスの無さ、思慮の浅さは今年カッコ良い映画に多く出会えただけに余計に際立って見える。今の話をしてるのにあの"一

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    ezo_999 2012/12/30
  • 2012年の映画ベスト10 - ぷりぷり

    今年は上位陣はどれも甲乙つけ難く素晴らしいのでランキングは実質順不同のようなものです。 『みんなちがって、みんないい』状態なのです、今年は。 10位『ファミリーツリー』 今年はアレクサンダー・ペインという才能に今更ながら出会えたのが大きな収穫。『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』や『サイドウェイ』もそれぞれちょっとどうかと思うくらい面白かった。こうしたほのかな前向きさを描ける作家は強い。 9位『苦役列車』 明らかに自分のような人間のために作られた映画で、その狙いすましたような感に今となっては若干の抵抗を感じなくもないのだけれども、結局まんまと引き込まれ泣かされた。作り手は明らかに意識してるだろうが、『モテキ』はこうあるべきだった。 こうした屈折した人間の追い込まれた人生をこそ映画は描くべきなんだと思った。 8位『預言者』 ジャック・オディアール恐るべし!時に丹念に、時に超現実的

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    ezo_999 2012/12/30
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(ネタバレあり) - ぷりぷり

    今回の「Q」に備えて、TVシリーズをザッと観て、旧劇場版EOE、新劇場版「破」を更にもう一回観た。 「序」も見ようとしたんだけど、どこも借りられてて見返す機会はちょっとなかったのが心残り。 どうもロボットアニメ的な世界規模のデカさと作品内の葛藤の小ささ(それが当人にとって切実だったとしても)」のい合わせが悪く、どうもオーバーに、もっと言うとナルシスティックに悩んでる印象が強くて全く好きになれなかった。 主人公が自らのマチズモに関してはスルーしているのも、暴力的なビジュアルやアバンギャルドな作りを逆に恨みがましい被害者意識やエクスキューズみたいに見せてしまっていて嫌な気分になる。 俺自身はこれを言いがかりだとは思ってないのだけれど、この作品がヒットした事の影響が結構色々なものを台無しにしたんじゃないだろうか? こうしたTVシリーズの不満に対して旧劇場版はちゃんと落とし前をつけていたと思う。

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    ezo_999 2012/11/28
  • 愛と誠(2012) - ぷりぷり

    予習として原作読んで大感動した身としてはこの映画の出来には首を捻らざるを得ない。 作の作り手がどの程度原作の核となるエモーションを引き受けようとしたのか、そこがかなり疑わしい。 この映画を観る前に原作を読んで大感動したのだけれど、この作品の重要な部分って、冒頭ネルーの手紙から引用されるけど「愛は戦いである」ってフレーズだと思う。 それぞれの登場人物がそれぞれ、はっきりとした世界観や人生観(信仰と言っても良いと思う)を持っていて、それに基づいて(時には悩み葛藤しながらも)行動して衝突する。 その衝突の凄みと、最後に残る無償の愛の尊さ(言葉にすると陳腐かもしれないけど)が胸を打つ。 だから、映画化する際に展開がダイジェスト気味になったり、多少描写が端折られるにしてもキャラクターの描き込みはキッチリしなきゃいけないでしょう。 予告編が出た時にミュージカル風なルックにブーイングも出てたけど、俺は

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    ezo_999 2012/06/26
  • 映画けいおん! - ぷりぷり

    別に怒るような映画ではなかったけど、面白い映画だとも思いませんでした。 Theゼロ地点! ※一応テレビシリーズは弟の横から、という形でしたが見てました ※原作の4コマは未読です ※強いて言うなら僕は律推しです まず、TVシリーズについて。 口うるさい親や教師は(親に関しては、結構家の描写はあるのに)出てこないし 練習さぼってたってプロ並の演奏ができちゃう クラスメートも軽音部とその音楽に対してかなり好意的で無条件に受け入れてくれる 金の問題なんざ気にする必要はないし 色恋沙汰に関わるような異性を感じさせる存在は出てこない… こういった現実の、言っちゃえば面倒なモノを徹底的と言っていいまでに排除している、 その割に現実の美味しい部分はかっさりいただいちゃってる…という指摘は他の方も既にされてると思います 個人的にそのあまりの徹底排除ぶりにファンタジーとしてもあまり乗りきれない感じです 「話が

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    ezo_999 2011/12/05
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