新聞が好んだ「ディール」という言葉 『米大統領にトランプ氏』という新聞の大きな見出し。2016年11月10日の朝。 各紙の1面を眺めると妙な気分になった。「もしかして自分は間違った世界にいるのではないか?」 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するタイムマシン「デロリアン」を誰かが悪用して、世界がおかしな方向に進んでしまったような感覚。 そう、現実の世界ではあの大悪役「ビフ・タネン」がアメリカの大統領になってしまったのである!(映画のビフ・タネン役のモデルは80年代のドナルド・トランプ)。 間違っているように思えても、でも現実がすべて。2月10日には安倍首相が訪米してトランプ米大統領と初の首脳会談が開かれる。 それなら「トランプ大統領就任」報道を追ってみよう。よく出てくる言葉は何? まずやたら目にするのが「ディール(取引)」。 《トランプ氏が志向するのは、国際関係にビジネスを持ち込