価値構造のデザイン 資本主義において、この一世紀ほど「お金」が「価値」の対価として利用されてきました。価値を定量化する資本主義のわかりやすさは大成功(!)そのシンプルさから生まれた消費経済は僕らの生活を豊かにし、平均寿命も大幅に伸びました。デザイナーという職能も例に漏れず、この一世紀のデザインの命題はつねに消費を促進することでした。 そして現在、ほぼ全てのデザインは消費経済のために存在しています。 しかし「お金」と「価値」との等価性が崩壊した現在、私たちは、消費経済が産んだ不合理を強烈に経験しています。どうやら私たち人類は、生き残るために価値に対しての考え方を、文字通り「進化」させる必要に迫られているようです。 そもそも、デザインは消費のためにある、という理解は、社会にとって大変不本意なことです。何故ならデザインとは、生き残るために周囲から価値を作り出す人間の本能的な編集能力に対して、最近