森 永輔 日経ビジネス副編集長 早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。 この著者の記事を見る
国内芋焼酎シェアの4割を握る霧島酒造。年間販売量は4500万本(一升瓶換算)に達し、そのうち芋焼酎「黒霧島」(通称クロキリ)が85%を占める。2014年3月期の売上高は565億円。 クロキリは1998年に発売し、14年で焼酎業界の王者として君臨した麦焼酎「いいちこ」を作る三和酒類の売上高を抜いた。11月10日号「黒霧島5000日戦争」特集では、商品の開発から販売に至る全軌跡を紹介した。消費者が支持したのは、他の焼酎よりもやはり美味いからだろうが、芋臭くない独特の風味を作り出す過程は書き切れていない。 高い品質をどう実現しているのか。一般の工場見学ルートでは入れない舞台裏から、その秘密に迫る。 連立方程式のようなブレンド比率 30:22:32:16――。作業服に身を包んだ社員が、真剣な表情で日誌に何やら数字を書き込んでいる。複雑な連立方程式のような数値の羅列。実は、これは製造後に貯蔵した複数
なぜか「知性」を感じさせない「高学歴」の人物 田坂教授は、5月に、新著『知性を磨く「スーパージェネラリスト」の時代』(光文社新書)を上梓されました。この連載『知性を磨く スーパージェネラリストへの成長戦略』では、ビジネスパーソンは、いかにして、日々の仕事を通じて「知性」を磨いていくべきか、そして、「七つのレベルの知性」を垂直統合した「スーパージェネラリスト」へと成長していくことができるかについて、伺いたいと思います。 まず、この連載第1回のテーマは、「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」です。 最初から、随分、刺激的なテーマですね? 田坂:そうですね。正確に言えば、「なぜ、高学歴の人物が、必ずしも、深い知性を感じさせないのか?」と言うべきですが、実際、高学歴を誇る人物を見ていて、たしかに「頭は良い」とは思うのですが、あまり「賢い」とは思えない人物がいるのではないでしょうか?
吉田泰則 ライフブランディング代表取締役 伊勢丹でメンズ館の立ち上げに参画し、伊勢丹メンズ館のバイヤーを務める。現在は独立し、男性専門ファッションコーディネートサービスを提供するライフブランディング代表。 この著者の記事を見る
小平 和良 日経ビジネス上海支局長 大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。 この著者の記事を見る
アマゾン・ドットコムのCEO(最高経営責任者)、ジェフ・ベゾスはクリスマス商戦を目前にして、自動操縦のミニヘリコプター(ドローン)で空中から商品を配達する「プライム・エアー」という構想をテレビ番組の中で公開した。もちろん法的規制を考えただけでも実用化されることは当分ありそうにないが、アマゾンが公開した動画はあっという間に1300万回も再生された。 一見破天荒なアイデアをブルドーザーのようなパワーで最後には実現してしまうことで知られているベゾスのこと、そのうち本当に玄関にアマゾンの配達ドローンが飛んでくるようになるのかもしれない。ジェフ・ベゾスはスティーブ・ジョブズ亡き後、その後継者と目され、動向が常に注目を集めている。ジェフ・ベゾスとはいったいどういう人物なのか? 正真正銘、顧客第一で長期的 アマゾン・ドットコムはいろいろな意味で型破り、かつ謎が多い企業だ。書籍、おもちゃ、カメラ、電気洗濯
アベノミクスの影響なのか、寒くて一杯やらずにはいられないからかわからないけど、夜の街がいつになく賑わっている。会社の忘年会と思わしき集団が、夜の街を闊歩しているのだ。 うらやましい? うん。ちょっとだけ(笑)。フリーで働く身としては、そんな風に思うことがないわけではない。「ないわけではない」だなんて、ややこしい言い回しだ。要は、「なんか、めんどくさそう……」などと思ってしまうのです。 お酒をみんなで飲むことは嫌いではない。でも、10人以上の飲み会になると、めんどくさい(申し訳ない)。だって、大人数になると当たり障りのない話ばかりが繰り広げられ、 “楽しんでいるフリ”をしなきゃならなくなる。 それに「シ~ン」とした瞬間が訪れると、「ヤバいヤバい! 盛り上げなきゃ!」と、変なプレッシャーがかかる。 いや、誰に頼まれたわけでも強要されるわけでもないのだけれど、私は勝手にそう感じてしまうのだ。 何
日本シリーズ第7戦、9回表。不動のエース田中将大がマウンドに上がると、球場の興奮は頂点に達した。目に涙を溜め、祈るようにマウンドを見つめるファンの姿。強まる雨の中、2万8000人を超えるファンがその瞬間を待ちわびていた。田中が巨人・矢野謙次を142キロのスプリットで空振り三振に切って取った瞬間。東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天球団)の球団史上初の日本一が決まった。 球団創設9年目の栄冠。1年目38勝だった楽天球団に、昨年、オーナーの三木谷浩史から「優勝」と「黒字」を託されて社長に就任したのが立花陽三だ。 就任1年目にしては、できすぎなのかもしれない。2013年9月26日に、リーグ優勝を果たした時点で立花は「頭が真っ白になった」。 無理もない。監督の星野仙一、オーナー三木谷が次々と胴上げされたあと、球団の正捕手・嶋基宏が立花の元に駆け寄ってきた。嶋に続いたのは、キャプテンの松井稼頭央。ベン
答えはスウェーデンで見つかった 何やら深刻そうなタイトルですが、ある記事を見て、そんなことが頭をよぎりました。 「欧米には、なぜ寝たきり老人がいないのか」。 ご覧になった方もいらっしゃるかとは思いますが、少々抜粋をしてご紹介しておきます。 「答えはスウェーデンで見つかりました。今から5年前になりますが、認知症を専門にしている家内に引き連れられて、認知症専門医のアニカ・タクマン先生にストックホルム近郊の病院や老人介護施設を見学させていただきました。予想通り、寝たきり老人は1人もいませんでした。胃ろうの患者もいませんでした。 その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。 ですから日本のよ
友人宅でのホームパーティの準備風景を映した動画だ。特別な動画編集ソフトなどは使っておらず、iPhoneで、あるアプリを利用して撮影をした。それが「RoadMovies」だ。 筆者がこのアプリの存在を知ったのは、今年の夏、友人と音楽フェスに行った時。「面白いアプリがあるんだ」と紹介してくれた友人に促されるままにダウンロードした。以来、月に1~2回はアクティブに撮影をしている。旅行のような特別なイベントに限らず、ちょっとした飲み会で撮影することもある。 アプリでできることは至ってシンプル。コマ切れの動画を撮影し、それをつなげて全体で24秒の作品を作る。8ミリ風やモノクロームなど、映像に好みのフィルタをかけ、音楽をつけるだけ。それだけでプロっぽい動画ができてしまうのだ。 クルマのホンダがなぜ? コマは「1×24」「2×12」「3×8」から選べる。「1×24」は、1秒の動画を24個撮影し、それらを
どうも、「バンドマン社長」河野です。 実は今回、僕は日経ビジネスの編集者と“けんか”をしました。 「河野さん、残響の売り上げの数字を出してください」と頼まれ、はいはいと提出したところ、グラフを見た編集者さんが「…うーん、基本的に右肩上がりだけど、ずいぶん波がありますよね。規模も小さいし、これって大企業に勤めている読者さんに、参考になるのかな、読んでもらえるのかなあ」と言われたんですね。これがそのグラフです。 思わずカチンときた僕は、食ってかかりました。 「右肩上がりを暗黙の前提にしてしまう経営は完全に古いと思っています。僕は、縦に伸びる経営より、横に広げる経営を目指したい。失礼ですが、『売上高』に対する考え方が、いまの世の中とずれているんじゃないですか?」 一瞬きょとんとした顔をした後、「…むしろそのお話聞きたいですね」と、食いついてきたのは、さすが編集者さんです(笑)。 とはいえ、彼の反
小平 和良 日経ビジネス上海支局長 大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。 この著者の記事を見る
長らく、日本の農業や地方経済を支えてきた全国農業協同組合中央会。 農協グループ(JA)は種子や肥料、農薬やトラクターなどの農業資材を農家に売り、農家から集荷した作物の販売も請け負う。さらに、大手資本や金融機関が進出しない地域で、農家を相手に資金を貸し出す――。農協が果たしてきた役割は非常に幅広い。だからこそ、農家は農協に任せておけば安心という持ちつ持たれつの関係が構築された。 農協に代わってサービスを始めようにも、金融から販売、流通などすべての機能を代行することは難しい。参入してもビジネスとして成功せずに撤退する企業も少なくなかった。 だが、農協の独占による弊害も出ている。「すべてやってくれるのはありがたいが、いかんせん手数料が高すぎる」。こう漏らすのは岩手県で大規模な生産法人を経営する男性だ。 この男性いわく、今年の大豆の販売価格は1俵当たり7000円だった。ところが、農協を通すと450
国内市場の成熟が進む中、今後、欧米や新興国に主戦場をシフトしていかざるを得ない日本企業。当然、そこで働く個人も「スキルの国際化」が急務となりつつある。グローバル対応が求められるのは語学力のみならず。「日本人の9割は欧米の常識に反する間違ったファッション知識を持っており、国際交渉の場や海外人脈を作る上でハンディになりかねない」と危惧しているのが、松屋銀座の紳士服バイヤー、宮崎俊一氏だ。宮崎氏に「ビジネスファッションの国際常識」について話を聞いた。 (聞き手は鈴木 信行) 著書や講演会などで「日本人の9割は間違ったスーツ選びをしている」と主張されている。具体的にどの辺りに問題があるのでしょう。 宮崎:最も顕著なのはサイズ感。多くの人が自分の体型よりワンサイズ大きなスーツを着てしまっている。肩幅が狭いとかお腹が出ているとか自分の体型にコンプレックスを持つ人ほど、それを隠そうと大き目の服を選びがち
この問題自体に関しては、数多くの注目すべきポイントがあると同時に、成り行きをチェックしていないと、「なぜ、今、こんな話になってるの?」と理解が遠のいてしまっている人も数多くいるはずです。 この金曜動画ショーでは、効果的なコミュニケーションの観点から、身近な状況でも活用・応用のできるヒントを考えるきっかけとして、注目のネット動画を見ています。 さて、今回の騒動から得られる、私たち自身が役立てられる、コミュニケーション上の教訓は何でしょうか。 今回は、タブー視されるような扱いの難しいテーマに関する問題提起や社会啓発に参考になりそうな動画を紹介します。 ネット動画はアイデアの宝庫。それでは今週もいってみましょう。 社長が訴える「危機感の共有」はうまくいかない 今回の橋下さんの発言で最初に注目したのは、「建前論じゃなくて、本音で話しましょう」という言葉でした。後日、この時の気持ちとして「いつまでた
東京電力福島第1原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第1原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏(多摩大学大学院教授)が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。 総理の特別顧問である内閣官房参与の立場にあった田坂氏は、なぜ総理に「脱原発依存」の政策を進言したのか。事故から2年が経過した今、改めて真意を語る。 2011年3月11日の東日本大震災と福島第1原子力発電所事故から2年が経ちました。 この事故直後の3月29日、田坂教授は原子力の専門家として、当時の菅直人総理から協力を要請され、内閣官房参与に就任し、原発事故対策に取り組むとともに、原子力行政改革、原子力政策転換にも取り組まれました。 2年を経て、改めて伺いますが、原発を推進する立場にあ
東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第1原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。 第2回となる今回は、安倍新政権が直ちに取り組むべき第五の政策として、「核廃棄物の最終処分」の政策について、具体的解決策を伺う。 前回のインタビューで、田坂教授は、エネルギー問題と原発問題の解決のために、安倍新政権が直ちに取り組むべき「五つの政策」を提言されましたね。 田坂:そうですね。前回は、「五つの政策」のうち、四つの政策について語りました。 第一の政策は、「核廃棄物の最終処分」の問題と、その前段の「使用済み核燃料の長期貯蔵」の問題に直ちに着手すること。 第二の政策は、当面、実現の見込みのない「地層処
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