ポップ・アートは滅ぶのか? それとも、人間の主体性を賭して生き残るか──。巨匠の作品をめぐる裁判が、その解を示す先例となるかも知れない。 著作権侵害の有無を巡って2017年から続いていた、ポップ・アートの巨匠アンディ・ウォーホルと写真家リン・ゴールドスミスの裁判。 簡単に説明すると、この裁判は「ウォーホルの作品はゴールドスミスの撮影した写真を基にしたもので、著作権侵害に当たる」というもの。結果としては、ウォーホル側(アンディ・ウォーホル美術財団)が敗訴し、7対2でゴールドスミス側に有利な判決が下された。 判決の目玉となっていたのは「フェアユース」及び「アプロプリエーション」にあたるか否か。今後、著作権を巡る裁判が重大な意味を持っていく上で、本件は重要な先例になるとして注目されていた。 ことの発端は、ウォーホルが雑誌の表紙用に依頼された作品。 『ヴァニティ・フェア』誌を飾ったこの作品は、19