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  • 「銃」中村文則(夢は枯野をー54) : 同伴者の本棚

    「昨日、私は拳銃を拾った。あるいは盗んだのかもしれないが、私にはよくわからない」 中村文則の第128回芥川賞候補作、「銃」の書き出しである。芥川賞候補作としてはやや長めの小説「銃」は、中村文則の芥川賞デヴュー作であった。そのせいもあってか、注目を集めた。 少し驚いたことには、文学フィールドがまったくちがう(と思われる)三浦哲郎が、熱い視線を注いでいることだ。 「中村文則氏の『銃』は、読みはじめてすぐカミュの『異邦人』という小説の冒頭を思いだした。同時に、初めてこの小説を読んで酔ったような気分になったことも思いだした。一瞬胸がときめいた。もしあのような作品にこの賞の選考で出会えたらどんなにすばらしいことかと思ったのである。途中で全く別種の作品だと気づいたが、それでも最後まで読み通したのは、作者の強引ともいえる筆力とまだ残っていた胸のときめきに引かれてのことである。 雨の夜、偶然、拳銃自殺の現

    「銃」中村文則(夢は枯野をー54) : 同伴者の本棚
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