米国ミネソタ州のホスピスで暮らす”おくりねこ”のオスカー。 人間の死を予期する特殊な能力を有している。 (c)La bascule and Ana films 和歌山県太地町におけるイルカの追い込み漁の実態を告発した米国映画『ザ・コーヴ』は2010年上半期の映画界の話題を独占したが、もう1本、日本人と動物の関係を考えさせるドキュメンタリー作品がフランスから上陸した。ミリアム・トネロット監督による『ネコを探して』がそれだ。19世紀のフランスでは”自立と自由の象徴”としてネコは画家や文化人らに愛されたが、さまざまな仕草のネコを描いた安藤広重の浮世絵が少なからず影響を与えているという。夏目漱石の『吾輩は猫である』も愛読しているトネロット監督は、米国や英国のネコたちも紹介するが、とりわけ日本のネコたちの紹介により時間を割いている。フランスの女性監督の目には、日本人とネコの関係はかなり特殊なものに映