人口減少と空間的偏在 今日盛んに言われている「地方創生」は、元をたどれば「人口問題」に端を発していることは想像に難くない。高度経済成長時代に問題となった「過密・過疎の問題」という国内の空間的な人口アンバランスの問題、それに加えて日本全体の少子化が止まらず高齢化が進行して、人口ピラミッドが歪になっていくことの「人口問題」である。つまり、空間的な人口分布とわが国全体の人口動態のことである。6〜7年前の「地方再生」が叫ばれたときに比べて、状況は逼迫してきている感がある。 人口の空間的アンバランスを住民基本台帳調べの人口統計でみると、日本全体の人口は2009年をピークにして減少傾向にあるのだが、これを都道府県別にみると直近の5年間「2010年3月末〜2015年3月末」で、5万人以上人口が減少した地域が6つ、4万人台の減少を示した地域が8つ、3万人台の減少が5つ、2万人台の減少が13地域と最も多く、