組織の中では、全員がすべての情報を共有することはできないし、目指すべきではない。もっと重要なのは、情報を知っている人を各自が知っていることである。 これを経営学では、「トランザクティブメモリ」とよび、その重要性が知られている。情報そのものを知らなくても、知っている人を知っていれば、解決する場合が多いからだ。あなたと関わりのある人たちが、あなたの知的能力を増強する外部メモリとして働くということである。 ここでよく考えると、もう一つ大事なトランザクティブメモリがあることに気づく。それは、本に関するトランザクティブメモリである。様々な本に書かれている情報をすべて知っていたり、覚えていることはできないし、目指すべきではない。しかし、重要なのは、その情報が書いてある本を知っていることである。 私は、若い頃から本を常に買い続けている。本を買って、そばに置いておくのが好きなのである。その全てを読むことは
![本の置き場と「トランザクティブメモリ」|矢野和男(ハピネスプラネットCEO、日立製作所フェロー)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/091e9e4d694ca1181da7b888a9e670d1aab895c8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F48842374%2Frectangle_large_type_2_6d6e8f318a243f7901a94529b17539ed.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)