売上,利益ともに大きく落としたサイボウズは,生き残りをかけたチャレンジを開始しました。新しい収益源を獲得しなければ生きていけない。ソフト屋ですから,素直に「受託開発」をする選択肢もありました。しかし,当時の私たちは,やはりパッケージ・ソフトで勝負したいとの思いが強く,新たに3つのチャレンジをすることにしました。「新製品の投入」,「海外展開」,そして「エンタープライズ市場への進出」です。 この中で,一番期待していたのが「エンタープライズ市場への進出」です。新製品を投入しても,グループウエアほどのリターンは期待できないだろう。海外展開は,リスクが高く,成功確率が低い。それらと比較すると,中小企業の間で高まってきたサイボウズの知名度と実績を生かし,一気に大企業へ攻め込めるのではないか。そう考えました。 IT業界では,企業規模で市場を分けて考えます。中堅・中小企業を「SMB市場」,大企業を「エンタ
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