“究極のクリーンエネルギー” 水素は、よく、そう表現されます。二酸化炭素を出さない次世代エネルギーの本命とも言われます。ただ、今、日本で利用されている水素エネルギーは、実は製造過程で二酸化炭素が発生し、理想を完全には実現できていません。さらに期待したほど普及が進まず、厳しい現実に直面しています。“水素社会”は本当にやってくるのでしょうか。 (経済部・吉武洋輔記者 江崎大輔記者) 今月、トヨタ自動車と東芝が、相次いで水素の新たな事業を発表しました。目指すのは二酸化炭素ゼロの究極の水素を作り出す取り組みです。 トヨタが始めたのは風力発電。神奈川県などと共同で、横浜市にある風力発電所に水素の製造装置を作りました。CO2を出さない風力の電気を使って、水を電気分解して水素を取り出します。できた水素は近くの工場のフォークリフトの燃料に利用します。一方、東芝は太陽光発電です。やはりCO2を出さない太陽光