東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」 明日を生きるのに懸命で、その先のことなんて何も見えてこなかった。襲ってくる不安に逃げ出したくなったことも一度や二度ではない。それでも、諦めなかった。いや、諦め切れなかったのだ。「この世界で仕事をさせてもらっている人の中では、絶対に僕が一番ダメな所からスタートしているので、『あれだけダメでも、一応ここまでは到達できましたよ』という意味で、勇気は与えられるかなと思いますね」。桑原学は、誰よりもサッカーの言葉を紡ぎ続けられることのありがたさを実感している実況者かもしれない。 兄と2人で毎日のようにボールを蹴っていた桑原少年が、サッカーチームに入ったのは小学校3年生。「いくつかの小学校の子供たちが集まっていたので、自分と同じ小学校の子もいるし、他の小学校の友達も増