本連載「デザインの魂のゆくえ」の第1部「デザインと経営」に続く、第2部のテーマは「デザインと教育」。その第1回目の対談として、グラフィックデザイナーの小田雄太さんと同じく多摩美術大学グラフィックデザイン学科で教鞭をとり、ビジュアルデザインやタイポグラフィを教える佐賀一郎さんをゲストに迎え、まずは『色彩の設計』を支える背景にまつわる対談をお届けします。 ●下記からの続きです。 前編:「美大はもっとデザインの定義やデザイナーの生き方をアップデートしていくべき。」 ●「デザインと教育」篇 序文はこちら。 音楽としての色、フォルムとしての言葉と文字 小田:色についての認識は、案外、後天的なものだったりしますよね。たとえば赤になにが紐づくのか。怒りの感情だったり、危険を知らせるサインとしての象徴性がある一方で、ローカライズされたイメージ回路を持っていたりもします。一例を挙げると、日本だと女性が赤で、