<北京五輪が華やかに開幕したが、その一方で中国共産党は「共同富裕」を実現させるため40年来の成功をドブに捨てようとしている> 2008年の夏季五輪の開催都市・北京で、2月4日に冬季五輪が始まった。雪不足も何のその、中国共産党は55発のロケット弾で人工雪を降らせるなど、文字どおり山をも動かす勢いだ。 しかし習近平(シー・チンピン)国家主席は今、人工雪を降らせるよりもはるかに困難な課題に直面している。安定成長を維持しつつ、所得格差を減らす「共同富裕(みんなで豊かになろう)」の実現だ。 前回、北京の会場に聖火がともったとき、当時の国家副主席だった習は五輪の最終準備を指揮していた。その後に習の指導下でじわじわ進んだ政治と経済の変化のせいで、今や鄧小平の改革開放の成功を支え、高度成長の原動力となってきた重要な要素が損なわれる事態になっている。 習は漢民族の再興を意味する「中国の夢」の実現を誓い、実利
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