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読み物に関するfatmikeiのブックマーク (3)

  • 2008年部長の旅 - Everything You’ve Ever Dreamed

    魚には骨がある。喫茶店での打ち合わせを終えて前を走る細い路に出た。陽射しで視界が真っ白になったその瞬間に、部長は言った。魚には骨があるという言葉を知っているか、と。 人の言うことを正確に把握するのはとても難しい。完全にわかりあうことは恐らく不可能だ。発信する側、受信する側、双方にそれぞれの問題があるから。僕らは経験や知識を駆使して相手の言わんとすることを探し当てる。手探りだ。会議やプレゼンで使用されるレーザーポインタを用いてピンポイントで対象を指し示す難しさに似ていると思う。先ず標的の周辺部を照らし、それから目標にじりじりと近づいていく。そういう感覚。 今回のプレゼンは先方の要請でパワーポイントを使用することになった。僕の役割はパソコンとファミコンの区別が出来ているのかさえ怪しい部長のサポート。プレゼンテーションの一切は部長が行うことになっている。そのための打ち合わせだった。 知りません、

    2008年部長の旅 - Everything You’ve Ever Dreamed
  • びゅーてぃふる塊魂 - Everything You’ve Ever Dreamed

    仕事納めの朝、総務のマヤちゃんが銀色の脚立を肩に担いで僕のところに現れた。目を合わせると顎で行く方向を示し、歩いていく。言葉もなしに。自尊心だけは人並み以上に高い僕は「Aカップ風情が、何を偉そうに」とデスクにあるローションティシューを一枚、乱暴に引き抜き、そのプルーンエキス配合の保湿成分に唾をペッと吐き棄てた。それからティシューを掃除のオバサンが嫌な思いをしないよう丁寧に丸いボール状にしてゴミ箱に捨て、子犬の愛らしい小走りでマヤちゃんを追った。 「今から神棚のお水、お酒、お札、縄を交換しようと思います」と脚立を担いだままマヤちゃんは言った。天井より少し低いところ、ミニバスケットのゴールくらいの高さの壁に神棚はあった。「しょうがないなあ」と言ってクールに肩車をしようとしゃがみこんだ僕をマヤちゃんは完全に無視して、脚立を乱暴にガチャンと置き脚を開いてセットすると、お酒を持って一段二段と登り、「

    びゅーてぃふる塊魂 - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 部長の すごい 企画 - Everything You’ve Ever Dreamed

    「お前ら少し頭を使えぉぇぇぇぉぇ!」 会議室で部長のテンションだけが上昇していた。部長の頭はバーコード。頭髪と頭髪の隙間で、フケが脂でてかって白く光っている。叫ぶな。光り輝くな。漂う空気は白けながらも重苦しさでいまにも分解しそうだった。今年最後の月次定例営業会議だ。月次ときいて僕は笑いそうになってしまう。部長の気分で三回開かれる月もあれば、部長の遅刻で突然中止になる月もあったからだ。 議題は新規事業展開。前回の会議の終わりに部長は「次の会議までに他のどこもやってない事業を考えろ。既存の事業を生かしたうえで人手もコストもかけず、リスクも負わない、安全で、楽で、確実に儲かる仕事を考えてこい」とハッパをかけた。虚ろな目で。 そんなうまい話があるはずない、そう誰かが言ったが、部長の意識はすでに別の場所に移動していた。部長は鼻唄まじりに何かを弄っていた。部長の手元にはゴルフコースのパンフ。鼻唄は銀座

    部長の すごい 企画 - Everything You’ve Ever Dreamed
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