現役最後のマウンドだった。最速118キロ。最後のボールは内角に大きくはずれた。「平成の怪物」と呼ばれた西武の松坂大輔投手が19日の日本ハム戦で先発登板。日米377試合目のマウンドが引退登板となった。 私も含め、昔を知る人間から見れば、もう大輔のボールではなかった。ボロボロだった。でも、そこまでやり続けた、やり続けることができたということでもある。大輔は、雑草と呼ばれた自分とは対照的なエリートだった。デビュー戦で見せた度胸満点のピッチング。イチローさんとの初対戦。華があった。現役終盤はけがに苦しんだ。メジャーから日本球界に復帰後はソフトバンク、中日を経て、古巣の西武へ戻ってきた。思うような結果を残せず、いろんなことを言われ、本人の耳にも入っていたと思う。批判の矛先が本人に向かうのは違うと思っている。現役を続けることができるのは、オファーを出す球団があるからだ。求められる以上、プロであり続けた