豆成くん、衝撃を受ける 出社初日、若手ITエンジニアの豆成くん(仮名)は衝撃を受けていた。 彼は、終わることのないプログラム開発作業に明け暮れていたシステム開発子会社を辞め、新天地を求めて中堅メーカーのマメックス工業(仮名)の情報システム部門に転職したのだった。晴れて念願がかない、ユーザー企業へと転じた彼が見たものは、古いシステムをルーチンワークで黙々とメンテナンスし続けている運用担当者たちの姿だった。 (どうしてこんなバラバラで古いシステムをいまでも……。いっそのこと、丸ごと作り替えた方が早いんじゃないだろうか?) 膨大なシステムを目前にそう自問自答する豆成くんの肩を、先輩格の蔵田さんがたたいた。 「これがわが社の姿だ。全部作り直した方がいい??なんて考えているのかもしれないが、いまさら不可能なんだよ。このシステム全体がうちの会社を動かしているんだ……。よく覚えておいた方がいいな」 乱立