日本のメーカーと研究者が協働して、デジタル式のデータロガーを開発したのは1991年のことだ。以来、ロガーの小型化、観測できるデータの種類の多様化と多機能化(ひとつのロガーで複数の種類のデータを記録できる)、そして記録容量の増強、3つの方面での進歩がとどまることを知らない。データが大きくなりがちな動画を記録する小型ビデオロガーが最近になって実現したのは、記憶容量の増強が追いついてきたからだ。 人間がどうやっても追従できない水中の動物の行動を知るために、もはやバイオロギングの手法は欠かせないものになっている。ましてや、ビデオ撮影まで簡単になると、素人目にも楽しく、大人気の研究分野になっていくのではないかとぼくは予想する。 もっとも、草創期から今に至るまで、非常に悩ましい弱点がある。 データロガーは、装着した後、どこかで回収して、蓄積されたデータを手に入れないと役に立たない。営巣中のペンギンは、