タグ

ブックマーク / bsr36.hatenadiary.org (1)

  • くるしみは夢の中の国で味わって - 日々と妄想

    眠るたびにある場所へ行くようになった。騒がしい大通りを一はいった路地の、突き当たりにあるふしぎな扉。古いステンドグラスを抜ける橙色の光。開けたいけど、開いてほしくない、相反するきもちを飲み込みながら入るその部屋で、毎日8時間お茶を飲んで過ごす。 時が止まった部屋の中に、行き場を失ったひとの思い出が積み重なっていた。ボロボロのアルバム、ひび割れた鏡、日に焼けたポスター、枯れたサボテン…捨てない理由は「持ち主がいるから」だった。カップの底に砂糖が沈んでたまっていく。砂糖が溶けきらないことなんてどうでもいいくらいに、恋するきもちとたたかっていた。テーブルの足下には腕のちぎれた人形が転がっている。どこかで壊れたオルゴールが鳴っている。この場所にいつも来たいと思っているのに、場所がわからない。どこなのかも、今がいつなのかも。言葉少なに何かを語ってくれても、それがどういう意味なのかも理解できなかった

    くるしみは夢の中の国で味わって - 日々と妄想
  • 1