「日本型年功制」の報酬は「次の仕事」 ――高橋教授が主張している「日本型年功制」ですが、年功制では差をつけられないという意見があります。 高橋: それは間違っています。そもそも「日本型年功制」は「年功序列」とは違うのです。 私が20代の頃、教養学部で助手を勤めていた時、日本生産性本部(現:財団法人 社会経済生産性本部)で夜間の社会人向けコースを担当していたことがあります。そこでは、夜になると、40歳前後のサラリーマンが集まってきていた。私の任務は「グループ研究の指導講師」だったのですが、指導と言っても彼らの方が年上だし、当時は経営学というよりは数理計量的なアプローチの研究をしていたこともあって、結局ずっと彼らの話を聞くことにしたわけです。1年の半分くらいを毎週夕方5時半から終電近くまで、それを約15年間、数千時間もサラリーマンの話を聞いてきました。 するとね、「年功序列」の会社なんて一社も