私たちは今、ある意味でユートピアに住んでいると、オランダの歴史学者でジャーナリストでもあるルトガー・ブレグマンは言う。昔の人々には想像もつかないほど豊かで健康的な暮らしを送り、より高いレベルの教育を受けている。だがその一方で、この後どんな世界を目指すのかという新しいビジョン、 新しいユートピアについてのアイデアが、私たちには決定的に欠けていると、ブレグマンは指摘する。 著書『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』の中で、ブレグマンは次のユートピアを実現するための3つのアイデアを提唱している。すべての人に無条件で、生活に必要な最低限度の現金を支給するユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)。週15時間程度までの労働時間の大幅な削減。そして、国家間の格差を是正し成長のチャンスを創る、世界中の国境の開放である。 同書の日本での出版に合わせてブレグマンは来日し、5月1