我が国の経済状況は2002年以降回復局面に入り、戦後最長の景気回復期とされているいざなぎ景気を超えて現段階(07年9月)までは息の長い好景気が続いている。しかし非正規雇用の増加、都市と地方の所得格差の拡大、累積する財政赤字、投資の増加が消費の拡大に十分に結びついていないといった観点からすると景気回復が本格化しているとは言い難い。このような状況下で今後我が国にとって求められる経済政策とはどのようなものだろうか。以下ではG7先進国との経済状況の比較を通じて我が国が目指すべき経済の姿を明確化しつつ、求められる経済政策について論じてみることにしたい。 1.先進国との比較による我が国経済のパフォーマンス まず、IMF,World Economic Outlook(WEO)からG7各国の動向をみよう。図表は名目GDP成長率(自国通貨ベース)、実質GDP成長率(自国通貨ベース)、物価上昇率、失業率、一