完訳 千一夜物語〈13〉 (岩波文庫) 作者: 豊島与志雄,佐藤正彰,渡辺一夫,岡部正孝出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1988/07/07メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る ジャアファルとバルマク家の最期 第九九四夜-第九九八夜 教王アル・ラシードの盟友であった大臣ジャアファルとその一族バルマク家は栄華を極めていたが、教王の怒りを買って一転。ジャアファルはマスルールによって首を斬られ、遺骸は不名誉な扱いを受け、一族はすべて根絶やしにされることになった。その原因には諸説あるが、もっとも有力なものはつぎの説である。 アル・ラシードはジャアファルとともに妹君のアッバーサも愛しており、毎夜ともに過ごさずにはおれなかった。しかし男女が同席するのはイスラム法的に望ましいことではない。アル・ラシードは一計を案じ、ジャアファルとアッバーサを形式上結婚させること