私は医学部で微生物学講座に所属するウイルス学者です。本作は1995年のアメリカ映画であり内容はフィロウイルス科(エボラウイルス、マールブルグウイルス)による出血熱ウイルスを題材にしており、本作に登場するウイルスの電子顕微鏡写真もフィロウイルス科(フィロは“ひも”)の細長い形状(Qという文字に似たりする)のそれである。題材は小説「ホットゾーン」に代表されるフィロウイルスの出血熱の歴史にとっているところが多い。本作では発端は出血熱が1967年に最初に見つかったというところから始まるが、これはフィロウイルス科の出血熱が最初に見つかった年に一致する(ドイツでマールブルグウイルスによる死者がはじめてでた)。フィロウイルス科は、体液などの濃厚な感染でしか通常は感染しないが、アメリカで輸入したサルにのみ病気を起こしたレストン株は、空気感染を起こしたことが疑われた。これは、ウイルス感染したサルと別の部屋に