東北の雪景色を眺める旅をしていたら、またまた先進民主主義国ではありえない政治スキャンダルが勃発した。東京地検特捜部が政権政党の幹事長秘書を政治資金規正法違反容疑で次々逮捕したのである。たまたま佐藤栄佐久前福島県知事が書いた「知事抹殺・つくられた福島県汚職事件」(平凡社刊)を読みながら旅していたので、「またか」と思いうんざりした。 先進民主主義国にも政治スキャンダルはあるが、これほど頻繁に「政治とカネ」の問題で大騒ぎする国も珍しい。政治家がスキャンダルで失脚するのは発展途上国の政治の特徴だから、日本は民主主義が未熟な発展途上国並と世界からは見られる。なぜこれほどに頻発するのか。日本国民は質の悪い政治家ばかりを選んでいるのか、それとも政治資金規正法が先進国とは違うのか、あるいは法を執行する検察官僚に問題があるのか。「知事抹殺」では、霞ヶ関と闘う事で知られた前福島県知事が、検察に事件をでっち上げ