連載目次 用語解説 機械学習におけるみにくいアヒルの子の定理(醜いアヒルの子の定理: Ugly Duckling theorem)とは、何らかの「仮定(=事前知識や偏向、帰納バイアス)」がないと「分類(=類似性の判断)」は(理論上)不可能である、ということを主張する定理である。つまり分類やパターン認識において、あらゆる特徴量を客観的に同等に扱うことはできず、何らかの仮定に基づいて主観的に特徴量選択を行うことが本質的に必要であることを示す。 概念的にはノーフリーランチ定理に似ており、機械学習で必修の定理として一緒に学ぶことが多い。ノーフリーランチ定理は「あらゆる問題を効率よく解けるような“万能”の機械学習モデルや探索/最適化のアルゴリズムなどは存在しない」ことを主張する用語である。一方、みにくいアヒルの子の定理は「仮定/事前知識がない場合には、分類性能が高くなるような“最良”の特徴表現/特徴