国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)に基づく社会活動が活発になり、ESG投資やグリーンインフラの実装といった取り組みが着実に進んでいる。こうした取り組みによって多様な生物が生息し、人が緑や自然を身近な存在と捉えられる都市整備が目立ってきた。 一方で、人が生活や経済活動などを展開する拠点である建物とその周辺に生息する生物との関係にあつれきが生じるケースも散見されている。その代表例の1つが、鳥や小動物などによる糞害だ。 本連載では、「一級建築士矩子の設計思考」(鬼ノ仁/日本文芸社)のキャラクターを使って新規に描き下ろしたイラストとともに、建築の危ないデザインを考える。 糞による被害は、美観を損ねるといった外見的な事象にとどまらない。クリプトコックス症やオウム病といった感染症に加え、寄生虫による疾病や健康被害をもたらすリスクもある。他方、鳥の捕獲や卵やひながいる巣の撤去などは鳥獣保護管