kokoroの健康講座:北山 修「私の思いを酌む文化」(1) 2007年07月26日 北山修さんインタビュー 1 2 3 4 日本を代表する精神分析家が、かつての舞台経験も踏まえて著した一冊の本。建前と本音、表と裏、そして舞台と楽屋など、的確でドラマチックな比喩から紡ぎ出される論述は、読み手の心をとらえてなお、清々しさをあとに残す。 ■二重のまま生きる時代 ── 今の日本の社会や人々は、精神分析医の目にどう映りますか。 北山 たとえば大学入試の試験官として、面接に来た子らに併願校について問うと「貴校に絶対入学したい」と答えます。実際はよそも受けるのでも、われわれが見抜けないほど見事な「表向きの顔」を作ってね。 思春期からそういう「建前」を徹底的に教え込まれて、大人の前で振る舞うことに慣れている。本当は、建前とは別の「本音」をみんな抱えているのに、その間にある矛盾や相克に悩んだり苦しんだり