◆設備過剰に大国苦悩/再エネに舵切るEU、輸出の”逃げ道”なく 地球温暖化対策の“優等生”が葛藤している。フランスで7月、現在の原子力設備容量を維持することを認めつつ、発電電力量に占める原子力の割合を2025年までに現在の75%から50%に下げる「エネルギー移行法案」が可決・成立した。再生可能エネルギーや省エネが拡大すると供給力過剰になるのは必至。専門家は、欧州連合(EU)が再生可能エネに大きく舵を切る中で「原子力大国の苦悩が表れている」(海外電力調査会)と分析する。 エネルギー移行法案は7月22日、国民議会(下院)で可決・成立した。30年までの数値目標として「温室効果ガス排出量を1990年比40%削減」「最終エネルギー消費量を12年比20%削減」「再生可能エネ比率40%」などを掲げた。 焦点の原子力については現在の設備容量6320万キロワットを超える新設を認めず、オランド大統領の選挙公約