打撃の積極性と淡白さは、コインの表裏のような関係にある。4月16日に行われた日本ハム戦の1回裏、埼玉西武ライオンズの先頭打者の栗山巧は初球をセンター前ヒットとした打席について、「紙一重だった」と表現した。 「ヒットになったから良かったです。逆に、アウトになっていたら(早打ちということになる)。でも、僕らはそういう世界で勝負していますから」 初球を打って結果が出れば積極的、アウトになれば淡白と言われるが、その差はどこにあるのか。土井正博ヘッド兼打撃コーチはこう説明する。 「積極性を求めることと、淡白さは違う。要は、状況を判断できるか。ピッチャーに1球放らせる余裕がある選手もいれば、カウントを追い込まれてしまうと考える選手もいる。そこら辺が栗山はうまい。積極的にも振っていけるし、フルカウントまで追い込まれてから粘ってヒットにすることもできる。巧打者ですよね」 栗山は、極めて“野球脳”の