『ごちそうさん』―食×音楽=毎日の小さな奇跡 『攻殻機動隊 S.A.C.』『カウボーイビバップ』等のサウンドトラックを手がけ、NHK東日本大震災プロジェクトのテーマソング「花は咲く」など、多彩な活動を見せる作曲家菅野よう子。最新作のテーマは「食」である。クールなジャズで独自の世界を表現して高い評価を受けた彼女が、今回はNHK朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』のサウンドトラックを手がけている。 菅野は朝の連続ドラマについて次のように語る。「例えば病院や介護施設で、朝ご飯の合図、時計代わりのような存在になっているのを見ました。決まった時間の食卓とは、すなわち生活の健全さを表すものだなと」 「食卓」「食べること」に焦点を当てたこのドラマの音楽を作るにあたり、菅野は最大限「食」の持つインスピレーションを利用する。 「もともと音(音楽)を舌触り肌触り、背骨で聴くなど、体感として捉えているところがあり