6日は広島の原爆死没者慰霊式、9日は長崎だ。 毎年、この時期になると、なんとも鬱陶しい思いになる。 「核廃絶」という言葉が、いかに意味もないまま、安易に使われているか。その情緒性が嫌悪感をすら催させる。 原爆被災者の苦しみは痛いほど分かる。いまなお後遺症で苦しんでおられる方も多い。そのことに思いをはせないわけではない。 だが、そのことと政治家が発すべき言葉とは区分けして考えたい。 「核攻撃から市民を守る唯一の手段は核兵器の廃絶です」 秋葉忠利広島市長は、平和宣言で今年もまた、こういう表現をした。 気持ちは分かる。誠実な思いであることも分かる。 だが、政治家としては、まったく無意味な内容であることに気付かなくてはいけない。あるいは気付いていて、それでもなお、こういう空疎なことを述べるのならば、これはだれかが指弾しなくてはならない。 いまの日本を取り巻く安保環境の中で、政治家