私立男子校御三家の一つ、麻布中学・高校(東京都港区)校長の「国旗・国歌発言」が話題を呼んでいる。 麻布の氷上信広校長は小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」で、卒業式や入学式での国旗掲揚・国歌斉唱について「私立校は関係がありません」と断言。今後も国旗掲揚・国歌斉唱を行わないと強調している。 大きな勘違いをしているようだ。私立学校は学校教育法1条で定められた「学校」であり、都道府県の設置認可を受け、国や都道府県から多額の助成金を受けている公教育の機関だ。学習指導要領を守る義務がある。 文部省は平成7年、私立小・中・高の国旗・国歌実施状況の調査を初めて行った。国旗掲揚は小学校の卒業式で65.4%、国歌斉唱は小学校の入学式で42.3%などと極めて低い数字だった。文部省・文部科学省はこれ以降一度も調査していない。麻布の校長が「関係ない」とうそぶく背景にはこうした文科省の無策がある。 私学関