ベネズエラへの人道支援物資を運んだトラックが、同国のマドゥロ政権側の放火で炎上した――2月23日に起きたこの事件は、反米の姿勢を打ち出すマドゥロ政権の反人道的なイメージを拡散。米国はこの事件を理由として、ベネズエラに対する追加の経済制裁措置を発表した。 だがニューヨーク・タイムズは3月10日、その現場を撮影した動画の分析から、この人道支援トラック炎上が、マドゥロ政権側と対峙していた反政府勢力の火炎瓶が原因だった、と指摘。 さらに「マドゥロ政権側の放火」の情報がいかに拡散していったかを検証した。 政府関係者、メディアが、次々にこの誤情報を増幅。誤情報は「既成事実」となり、それを前提に情報戦が展開される――。 誤情報拡散のケーススタディとなる事件だ。 ●何が起きたのか ベネズエラはマドゥロ政権の失政による経済の混乱から、300万人を超すと見られる難民が国外に逃れている。 米国を含む50カ国以上
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